石綿とも呼ばれるアスベストは、かつては保温断熱の目的で、多くの住宅やビルの建設で使われていました。しかしこの建築材は繊維が細く、建築中に空気中に浮遊した繊維を工事関係者が吸い込み、それが健康に悪影響を与えるのがわかったため、昭和50年に禁止されることになりました。その後もスレート材や防音材、断熱材などで使われていましたが、これも今は禁止されています。しかしその当時の工事に関わった人の中には、多量のアスベストを、しかも長期にわたって吸い込んでいる可能性がある人もいます。

特にこの場合はじん肺、悪性中皮種や肺がんなどの健康障害が認められることが多いです。もし過去にそういった工事を請け負っており、自分の健康状態が気になる人は、一度検査を受けることをお勧めします。潜伏期間が長いことが、アスベスト吸入による症状の特徴ですので、仮に自覚症状がなくても、労災病院などで検査をしてもらうに越したことがはありません。また、石綿関連製品を扱っていた会社に勤務していた場合なども、知らず知らずのうちにアスベストを吸入していた可能性があるため、やはり検査をしてもらうといいでしょう。

またかつて、昭和時代の後半頃に石綿工場の近くに住んでいた人も、一度医療機関に相談してみるといいでしょう。ただし現在は、アスベストの濃度基準の順守が義務となっているため、工場の近くに住んでいるから病気の可能性があるとか、あるいは検査が必要であるとは必ずしも言えません。

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